■犬ぞり漁や観光業には痛手

 衛星画像によれば、北極圏の氷床が毎年約208立方キロメートル縮小し続けている。

 氷床の融解は海面上昇の大きな要因となる可能性があるが、昨年12月に英科学誌ネイチャー(Nature)で発表された研究結果によれば、2003年から10年の7年間で融解した氷床は20世紀を通じた100年間に溶けた氷床の2倍の量だという。

 既にグリーンランドの人々は気候変動による問題や暮らしの変化に直面してきた。海氷が薄くなったために犬ぞりで氷上を移動する漁をあきらめ、犬たちを死なせる道を選ばざるを得ない漁師たちもいる。

 経済多様化の一つとして自治政府が力をいれる観光業も北極圏で溶けゆく氷がもたらす難題に直面している。グリーンランド観光最大の目玉、イルリサット(Ilulissat)のフィヨルド観光では、溶けだした氷床が大きな氷の塊となって漂流し、しばしば観光クルーズ船の障害となっている。