ココナツの殻と太陽光発電で調理、温暖化対策に期待 ベナン
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【1月19日 AFP】西アフリカ・ベナンの首都ポルトノボ(Porto-Novo)の沿道で、1人の女性が3つの大きな鍋でコメと豆を調理している。同国ではよく見られる光景だが、この女性が使っているのは木を燃やして火をたくストーブではなく、森林伐採や温室効果ガスの排出を抑制できると期待されている、ココナツの殻を燃料とし太陽光発電を利用する調理器だ。
「Mivo(ミボ、地元の言葉で「気楽にやれよ」の意味)」と呼ばれるこの調理器具は非政府組織(NGO)「Autre Vie(オートル・ビー)」によって販売されている。同団体は過去3年間、ベナンでは5世帯に4世帯が調理に使っているまきや木炭への依存を減らすため活動してきた。
この調理器具を購入した人々の大半はその理由として、まきを燃料とするよりココナツの殻のほうが経済的だというだけでなく、より環境に優しいことが理解できたからだと語る。
沿道で調理していたい女性は「私たちは森の木に手を出さない。そうすることで雨が降れば植物などが育ち、結果的に私たちを守ってくれる」と語った。
団体の代表者は「この調理器具は森林伐採や温室効果ガスの排出を減らす」、「4人家族ならココナツの殻1袋で半年もつ。木炭なら1袋半が毎月必要だ」と話した。
ベナンの森林・天然資源局によれば、同国の国土で森林が占める割合はわずか17%。しかも、毎年約7万ヘクタールの森林が消滅しているという。その一因は木炭の生産にある。
調理器具の価格は5万5000CFAフラン(約1万1000円)でベナンでは高額だが、国連(UN)の資金援助を得て、これまでに約800台が売れた。団体の代表者によれば、高い需要に製造が追いつかず、購入を希望する人が120人も待っているという。また、世界の指導者たちは、自分がやっているような取り組みが大きなインパクトを与えることを知るべきだ、と彼は付け加えた。(c)AFP/Delphine BOUSQUET