【1月18日 AFP】パキスタン中部パンジャブ(Punjab)州で、神を冒涜(ぼうとく)したと非難された15歳の少年が自分の手を切り落とした事件で、警察当局は16日、暴力的な行為を扇動したとして地元のイスラム教聖職者を逮捕した。

 州都ラホール(Lahore)から南に約125キロのフジュラ・シャー・ムッキム(Hujra Shah Muqeem)地区の警察当局によると、逮捕されたのはイスラム教指導者のシャビル・アハメド(Shabbir Ahmed)容疑者。

 アハメド容疑者は11日夜、村のモスクで開かれた集会で、預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)を愛する者は常に祈りの言葉を唱えると語った後、祈りをやめた者はいないかと聴衆に問い掛けたとされる。

 このとき、ムハンマド・アンワル(Mohammad Anwar)君(15)は質問を聞き違えたとみられ、挙手をした。アハメド容疑者はこれを見て、神への冒涜だとアンワル君を非難したと地元メディアは伝えている。

 警察発表によれば、自宅へ逃げ帰ったアンワル君は、挙手した方の手を切り落とし、盆に載せてアハメド容疑者に差し出したという。

 警察は、アンワル君を「これほど過激な行為に及ばせた」として、反テロ法に基づきアハメド容疑者を逮捕した。イスラム教徒が多数を占めるパキスタンで、神への冒涜は非常に重い罪とみなされ、これを理由としたとみられる集団暴行事件がたびたび起きている。(c)AFP