【1月12日 AFP】フィリピン最高裁判所は12日、同国が米国と2014年に締結した軍事協定は合憲との判断を示した。南シナ海(South China Sea)で緊張が続く中、フィリピンにおける米軍の存在感が拡大される道が開かれた。

 有効期間10年とされる軍事協定は14年に締結されていたが、法的な異議申し立てを受けて、これまで履行に至っていなかった。しかし今回の最高裁判断に基づき、今後は演習などのためフィリピン国内に展開する米部隊が増えると同時に、フィリピンの軍事施設建設を米軍が支援していくとみられる。

 最高裁報道官は、協定は10対4の賛成多数で支持され、ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領の政権には議会の承認を得ずに協定に調印する権限があったとみなされたとし、協定は「既存の法律と条約を単に履行に移すもの」だと述べた。

 アキノ大統領は、自国の軍事力向上と、米国との関係強化を目指して協定の交渉に当たった。南シナ海のフィリピンに近い水域で急速に存在感を増大させている中国に対抗していく狙いもある。(c)AFP