【1月11日 AFP】韓国では10日、フィギュアスケートの全国選手権で史上最年少となる11歳の少女が1位に輝き、金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)さんが保持していた同大会の最年少優勝記録を更新した。

 11歳のユ・ヨン(Young You)は、身長143センチと小柄ながら、難しいジャンプや美しいスピンを次々に披露し、ミスのない演技で最高得点をたたき出した。

 韓国の中央日報(Joongang Ilbo)は、ユ・ヨンを「フィギュアスケートの天才」と表現し、朝鮮日報(Chosun Ilbo)は、同選手が「韓国フィギュアスケート界の歴史を塗り替えるだろう」と評している。

 韓国出身のフィギュアスケーターと言えば、世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)を2度制している五輪金メダリストの金妍児さんを思い浮かべるが、その金妍児さんも、ユ・ヨンの快挙を近くで見届けた。

 12歳で全国選手権を制した経験を持つ金妍児さんは、ユ・ヨンのスケーティングが「当時の自分を上回っている」とすると、「注意を払いながら、けがをしないよう練習すれば、技術は向上すると思う」と期待を述べた。

 金妍児さんは、2014年のソチ冬季五輪を最後に競技から引退したものの、韓国フィギュアスケート界のスターとして、今でも人気が高い。

 ユ・ヨンも、2010年のバンクーバー冬季五輪で金妍児さんが金メダルを獲得した演技を見て、フィギュアスケートを始めた選手の一人。現在は、トリプルアクセルや、難度の高い3回転ジャンプの練習に取り組んでいるという。

「シーズン開幕に際し、トリプルアクセルを練習していましたが、完璧な仕上がりではありませんでした。今季終了後に、再び挑戦しようと思います」

 全国選手権を制したユ・ヨンだが、満15歳以上の年齢基準を満たしていないため、2年後に地元で開催される平昌冬季五輪には出場できない。(c)AFP