【1月6日 AFP】超音速旅客機コンコルド(Concorde)のチーフテストパイロットで、音速の壁を同機で初めて突破したアンドレ・トゥルカ(Andre Turcat)氏が4日、仏アルプス(French Alps)のエクサンプロバンス(Aix en Provence)の自宅で死去した。94歳だった。家族が5日、AFPに明らかにした。

 トゥルカ氏は1969年3月2日に仏トゥールーズ(Toulouse)の滑走路から001試作機の飛行テストを行った最初の人物で、同年10月1日の飛行では初めて音速を突破した。

 トゥルカ氏は1921年、南フランスの都市マルセイユ(Marseille)で自動車製造業者の家庭に生まれた。1947年に宗主国フランスが戦争をしていた当時のインドシナに、空軍パイロットとして短期間配属された。

 1952年には空軍のテストパイロット育成組織の代表に任命され、その後まもなくフランスの特殊航空機開発チームでチーフテストパイロットとなった。コンコルドのチーフテストパイロットを務めたのは1964年~76年。

 コンコルドをめぐっては、2000年7月25日、米ニューヨーク(New York)へと向け、パリ(Paris)のシャルル・ドゴール国際空港(Charles de Gaulle International Airport)を出発した同機が離陸直後に墜落・炎上し、113人が死亡した。その数年後、全機退役となった。 (c)AFP