【12月25日 AFP】米西部カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)郡にある天然ガス貯蔵施設で10月以来、ガスの大規模な漏出が続き、付近の地区でこれまでに2000世帯以上が一時的な住居への転居を余儀なくされた。住民の間では体調を崩す人が続出しているという。

 施設を保有する地元ガス会社サザン・カリフォルニア・ガス(SoCal Gas)とロサンゼルス市の検事らは今週、裁判所の命令による和解で合意。これに基づき、同社は転居を求めるポーターランチ(Porter Ranch)地区の住民全てに対し、3日以内に一時的な住居を用意しなければならなくなった。

 同社は23日までに2147世帯を一時的な住居に移転させたという。このほかに数百世帯が自主的に避難している。

 ポーターランチはロサンゼルス市中心部から北西48キロのところにある高級住宅地。付近は全米最大級の天然ガス貯蔵施設群があり、その一部で10月23日にガス漏れが確認された。

 サザン社は修繕にはさらに数か月かかるとの見通しを示す一方、漏れ出ているメタンは大気中にすぐ消散するため、健康には無害だと主張している。

 だが、多数の住民が鼻血や吐き気などの症状が出るなど体調を崩したと訴え、サザン社に対する集団訴訟を起こしたほか、子どもを地区内の学校に通わせない措置を取っている。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT