【12月21日 AFP】古代エジプトの王ツタンカーメン(Tutankhamun)の乳母と思われていたマヤ(Maia)が実は王の姉メリトアテン(Meritaten)である可能性が出てきた──。エジプト当局者と仏考古学者が20日、記者会見で明らかにした。マヤの墓の一般公開が来月に迫るなかでの発表となった。

 仏調査チームを率いる仏考古学者アラン・ジビエ(Alain Zivie)氏はAFPに対し「マヤは、アクエンアテン(Akhenaten)とネフェルティテイ(Nefertiti)の娘でツタンカーメンの異母姉にあたる王女メリトアテンに間違いない」と語った。

 決め手となったのは、ツタンカーメンとマヤの墓の壁に施されたレリーフ(浮き彫り)だという。レリーフには、王座に腰掛けたマヤとその膝に抱かれたツタンカーメンが描かれており、「驚くべきことにツタンカーメンとマヤの顔はそっくりだった。あごや目に親族の特徴が表れていた」とされる。

 同様のレリーフは、現在のミニヤ(Minya)県にある古代エジプト王朝の都の遺跡発掘現場テル・エル・アマルナ(Tel el-Amarna)からも見つかっているとジビエ氏は話す。

 アクエンアテンの墓にあるレリーフには、ネフェルティテイとの間の次女、王女メケトアテン(Meketaten)の死を表したもので、このなかに赤ん坊に乳を飲ませる乳母が描かれている。この女性が二人の長女の王女メリトアテンだとジビエ氏は語った。

 まだ見つかっていないメリトアテンのミイラについては、ツタンカーメンの墓の隠し部屋にあるかもしれないとエジプトのマムドゥフ・ダマティ(Mamduh al-Damati)考古相は語っている。

 英国の考古学者ニコラス・リーブス(Nicholas Reeves)氏がツタンカーメン王の墓に隠し部屋がある可能性を指摘して以来、「王家の谷(Valley of the Kings)」では高性能レーダー探知機による調査が進められており、世界中から注目が集まっている。(c)AFP