【12月20日 AFP】イラクのハリド・オベイディ(Khaled al-Obeidi)国防相は19日、首都バグダッド(Baghdad)西方で米軍主導の有志連合が行った空爆でイラク軍の兵士10人が死亡したと発表し、調査を開始したことを記者会見で明らかにした。

 これに先立ち、有志連合は18日、10人が「死傷した」との声明を出していたが、オベイディ国防相とイラク軍の高官は19日、兵士10人が死亡したことを確認した。

 18日の有志連合の声明によると、誤爆が起きたのはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に制圧され拠点となっているイラク・ファルージャ(Fallujah)南部。有志連合はISの拠点に進軍するイラク地上部隊を支援して2度の空爆を行ったが、その後、3度目の空爆の際にISと戦闘中のイラク軍部隊の近くに着弾し、双方に死者が出たという。

 米軍は、有志連合の爆撃でイラク軍に死傷者が出たことを認めており、18日の声明では「イラク地上部隊と調整していたにもかかわらず、初期報告によれば爆撃のうち1回がイラク兵死亡という結果につながった可能性がある」と述べていた。

 声明は、有志連合の誤爆事故は昨年開始された対IS掃討作戦で今回が初めてとしつつ、米軍が独自に調査を開始すると表明している。また、誤爆前日にイラクを訪問していたアシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官が、電話でハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相に哀悼の意を伝えたという。(c)AFP