【12月19日 AFP】イラク・バグダッド(Baghdad)駐在の米国防総省報道官スティーブ・ウォーレン(Steve Warren)大佐は18日、今週イラクで続いていた激しい戦闘中に、米軍主導の有志連合がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対して行った空爆で同組織の戦闘員約200人を殺害したと述べた。

 イラクとシリアで対IS作戦を展開する有志連合の行動について説明するウォーレン報道官は、約500人のIS戦闘員が16日夜、イラク北部のニナワ(Nineveh)州でクルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)を攻撃したため、連合5か国の軍用機でこれに対抗し、約100発の爆弾を投下したと公表した。

 同報道官は、省内で行われたインターネット会見で、「空爆のみで200人近くを殺害した。現在のところ187人の死亡が確認されている」と述べ、「空爆だけでも敵にとっては大きな痛手となったが、地上での作戦も奏功したと思われる。戦闘は長時間にわたって行われた。ペシュメルガがISに対してどれだけのダメージを与えたかについてはまだ確認できていないが、大きな影響をISに与えたことは確かだ」と付け加えた。

 数か所に及んだISの攻撃では、イラクとトルコ政府の間で問題化しているトルコ兵が駐屯中の基地も標的にされた。

 ISは複数のターゲットを攻撃したが、この中にはトルコ兵が駐屯する基地もあった。同基地の使用をめぐっては、イラクとトルコの両政府間で意見が対立している。

 クルディスタン地域治安委員会(Kurdistan Regional Security CouncilKRSC)によると、ペシュメルガはナワラン(Nawaran)、バシカ(Bashiqa)、タルアスワド(Tal Aswad)を含む5か所でISを撃退したという。またウォーレン報道官によると、戦闘の大半はタルアスワドで起きた。

 KRSCは、一連の衝突でIS戦闘員約70人が死亡したと先に述べていた。ウォーレン報道官によると、イラクでクルド人部隊を訓練中のカナダの特殊作戦部隊が今回の地上戦では支援に回ったという。(c)AFP