■進化を続けるバルサスタイル

 メッシの言葉を聞くと、ルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督の下でのバルセロナの進化の方向性がうかがえる。現在のバルセロナは、グアルディオラ政権下で花開いたショートパスを多用する戦術「ティキ・タカ」には、以前ほどこだわらなくなっている。

 メッシは、「僕らは以前よりもまっすぐな(ゴールへ直線的に向かう)チームになった。ただもちろん、ボール保持という僕らの存在価値を捨てたわけじゃない」と話した。

「ボールを持って、試合をコントロールする。それが最優先なのは変わらない。だけど今はそこに、ほんの2本か3本のパスで相手のゴール前まで行くというパターンも加わった。以前なら、もっとビルドアップにこだわってからゴール前まで行っていたけどね」

 相手の最終ラインとの駆け引きがうまいルイス・スアレス(Luis Suarez)の加入も、攻撃の切れ味の上昇に間違いなく一役買っている。

 メッシ、ネイマール、スアレスの3トップは、昨シーズン、3人合わせて127得点という驚異的なゴール数を記録した。しかしネイマールは内転筋を痛めており、クラブW杯の出場が危ぶまれている。

 それでも、ジョルディ・アルバ(Jordi Alba)は15日の練習後、「現時点で、ネイマールは世界で3本の指に入る選手だ。だけどバルセロナは、1人の選手が欠けただけでダメになるようなチームじゃない。それが誰であってもね」と話した。

 ハビエル・マスケラーノ(Javier Mascherano)は、バルサの3トップは史上最強だと話している。

「自分の見た中ではベストだ。この先、あれ以上のトリオが出現するとは考えづらい。何より驚きなのは、3人とも自己中心的なところが全然ないんだ」

「あれほどのレベルの選手たちが、お互いを補完し合って、その上でそれぞれが異なった特徴を出せる。あんな3人はそうそう見つかるものじゃないよ。彼らみたいに、エゴを抑えてうまく連携を取るのは簡単じゃない」

(c)AFP