【12月15日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)郊外の幼稚園で14日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支持者に教室内で刺されたと語っていた教諭(45)が、検察当局に対し、事件は自作自演の作り話だったことを認めた。

 パリの北東に位置するオーベルビリエ(Aubervilliers)にある幼稚園に勤務しているこの教諭は、脇腹と喉に軽いけがをして病院に搬送されていた。

 教諭は、教室で授業の準備をしていたところ、つなぎの服を着て目出し帽をかぶった男が突然現れ、教室内にあったカッターナイフとはさみで切り付けられたと証言。さらに、男が「これはダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)だ。これは警告だ」と叫んだとも話していた。検察は教諭に対し、虚偽の訴えを行った理由について、引き続き取り調べを進めている。

 パリを襲った同時テロから1か月が経過した同国では、ISが国内の学校への攻撃を呼び掛けていることもあり、緊張状態が続いている。今回の事件の捜査も、発生直後から対テロ担当の検察官らが引き継いでいた。現場にはナジャット・バローベルカセム(Najat Vallaud-Belkacem)教育相も訪れ、学校の警備体制の強化を宣言していた。(c)AFP