【12月11日 AFP】英国で、2016年米大統領選挙の共和党指名獲得争いで首位に立っているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の入国禁止措置を求める請願への署名人数が、10日までに過去最多記録となる45万人に達した。一方のトランプ氏は、こうした英国での状況を受け、同国の人々は自らの対英投資への感謝を忘れていると批判している。

 トランプ氏は今週、過激思想に傾倒していたとされるイスラム教徒の夫婦が米カリフォルニア(California)州で起こした銃乱射事件を受け、イスラム教徒の入国を一時禁止すべきだと提案。

 同氏の入国禁止措置を求める請願はこれ以前に英政府のウェブサイトに提出されていたが、この提案を受けて署名人数が増加。とうとう同サイトで過去最多となる45万人に達した。

 トランプ氏の母親はスコットランド(Scotland)出身で、同氏はスコットランド内にゴルフ場を2か所所有している。しかし今回の提案の後、スコットランド自治政府によってビジネス大使を解任され、スコットランドの大学が授与していた名誉博士号もはく奪された。

 これに対しトランプ氏はツイッター(Twitter)に、「英国は自国が抱えるイスラム教徒の大問題を隠そうと必死だ。何が起こっているのかは誰でも気が付いているのに、本当に悲しい!正直になれ」「英国人の多くは私と同意見だ!」と投稿。

 また、スコットランド紙プレス・アンド・ジャーナル(Press and Journal)に対し、自身がスコットランドで行ってきた投資に触れた上で、「英国の政治家らは、ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)に迎合するかわりに、私に感謝すべきだ」と主張した。

 英政府のウェブサイトに提出された請願は、署名数が10万人に達したものは全て議会での審議対象として検討される。同サイトには「トランプ氏の入国禁止に反対」という請願も提出されたが、署名数は1万7500人余りとなっている。(c)AFP