【12月10日 AFP】仏パリ(Paris)北郊ルブルジェ(Le Bourget)で開催中の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)は9日、議長を務めるローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相によって合意文書の草案が発表された。参加国は9日間におよぶ緊迫した交渉の末に発表された同草案をたたき台として、2日間の最終協議に臨む。

 議長案発表を受け、各国代表団やオブザーバーらは11日の期限までの合意について慎重ながらも楽観視していると語っている。だが、最も重要な争点の解決は全てこれからだ。

■合意の前途は多難

 温室効果ガスを排出する石炭や石油、排ガスを削減する世界規模のエネルギー制度確立をめぐっては、20年以上にわたって各国が激しい外交を展開し、合意に失敗してきた。

 今回の会議における主な争点の一つが、2020年発効予定の合意文書に記載する目標値だ。

 気候変動の影響を最も大きく受ける国々のほとんどは、気温上昇の抑制を産業革命前比で1.5度未満とするよう求めている。

 これに対し米国、中国、インドなど温室効果ガスを多く排出している国々はなるべく長期間、化石燃料を使用できるよう、上限を2度未満するとの主張だ。

 先進国と発展途上国との間で展開される温暖化対策支援資金をめぐる激しい攻防も、合意の大きな阻害要因の1つだ。

 6年前にデンマークの首都コペンハーゲン(Copenhagen)で開かれた会議で先進国は、温暖化対策でクリーンエネルギーへの移行で新興国が拠出することになる巨額な費用を援助するために、2020年以後年間1000億ドル(約12兆円)の支援を行うことで合意している。

 しかし、資金の調達手段は依然として不透明なままだ。さらに新興国側は、将来的な支援金の増額を迫っている。

 一方、先進国側は、世界規模でみた排出量は大半が新興国の急速な経済成長によるものだと指摘。新興大国側も真剣に温室効果ガス削減に努力すべきだと主張している。(c)AFP/Karl MALAKUNAS、Mariette Le Roux