【12月8日 AFP】人為的な気候変動の主な要因とされる、化石燃料から発生する二酸化炭素(CO2)排出量が今年、世界経済成長期に入った後としては初めて減少する見通しだとする研究結果が7日、発表された。

 この「驚くべき」結果は、仏パリ(Paris)で開催中の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)が終盤に入る中で発表された。世界195か国が参加するCOP21では、危険な気候変動の原因とされる、熱を捉える二酸化炭素の排出を削減するための協定に向けた協議が重ねられている。

 英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に発表された研究論文によると、中国での変化を主な要因として、化石燃料由来のエネルギーから発生するCO2排出量の世界の増加傾向は2014年に横ばいとなり、2015年は約0.6%減とわずかに減少に転じるとみられるという。

 世界経済は2014年に3.4%成長し、2015年も3.1%の成長が予測されているにもかかわらず、CO2排出量は減少する見通しだと論文の執筆者らは指摘している。

 論文の執筆者らは「排出量の増加がほとんど、または全くなかった過去の年とは異なり、2014年と2015年は全世界の国内総生産(GDP)がかなり増加した」と記している。

 過去の排出量減少は一時的なもので、経済減速期、特に世界金融危機後の2009年に発生している。

 石油、石炭、天然ガスから発生するCO2の排出量から経済成長を切り離すことが、地球温暖化に対する取り組みの重要目標となっている。

 今回の研究は、英イーストアングリア大学(University of East Anglia)ティンダル気候変動研究センター(Tyndall Centre for Climate Research)のコリーヌ・ルケレ(Corinne le Quere)氏ら70人の科学者が実施した。