【12月10日 AFP】インド北部リシケシュ(Rishikesh)でこのほど、ビートルズ(The Beatles)が瞑想を学び、その後閉鎖されていた僧院が一般に公開された。今後、観光客向けのヨガ道場として再利用される計画だ。

 ガンジス(Ganges)川沿いの町リシケシュにある僧院(アシュラム)は、派手な宗教指導者として知られた故マハリシ・マヘーシュ・ヨギ(Maharishi Mahesh Yogi)師が1970年代に放棄した後、廃虚となっていたが、ジョン・レノン(John Lennon)さんが米ニューヨーク(New York)で殺された事件からちょうど35年となる8日、一般公開が始まった。

 公開に先立ち、地元ウッタラカンド(Uttarakhand)州当局は数か月前から清掃などの準備を行ってきた。

 同州の担当者はAFPの取材に「この場所を保存するとともに、元来の魅力も維持したい」と説明。近々、ヨガ道場も開設する計画で、僧院が新たに地域観光促進の起爆剤になることを期待していると語った。

 僧院の入場料はインド人が150ルピー(約270円)、外国人が700ルピー(約1300円)となっている。

■ビートルズファンの聖地

 僧院は廃虚と化し、2003年には野生保護当局に接収されたが、ビートルズの聖地としてその後も同地を訪れる熱心なファンが後を絶たない。

 ビートルズのメンバーは1968年に同僧院に滞在し、マハリシ師から「超越瞑想法(Transcendental Meditation)」を学んだ。

 だが、滞在中に4人とマハリシ師の関係は悪化。理由はさまざまだが、リンゴ・スター(Ringo Starr)さんは菜食を嫌ったとされ、レノンさんはマハリシ師が説く禁欲生活に偽りを感じたと後に語っている。

 とはいえ、通称ホワイト・アルバム(White Album)として有名な「ザ・ビートルズ(The Beatles)」の収録曲の多くが、メンバーの僧院滞在中や帰国直後に書かれている。(c)AFP