【ニューヨーク/米国 2日 AFP】33人の犠牲者を出したバージニア工科大学(Virginia Tech)銃乱射事件の悲劇が再び起きないよう、映画監督のデビッド・リンチ(David Lynch)が超越瞑想法(transcendental meditation)の導入を世界中の学校に呼びかけた。

「校内での銃規制では学校暴力はなくならい」とリンチは1日にウェブキャストで述べ、自身が30年以上にわたり実践している瞑想法をアピールした。

「一人の生徒が他の生徒に危害を及ぼすような、この怒りと精神不安の原因は何処にあるのか?」と『ブルーベルベット(Blue Velvet)』や『イレイザーヘッド(Eraserhead)』などの暗く不穏な作品を創出してきた61歳のリンチは問いかけた。

「これに対処するための治癒法として、とても美しい方法がある。それはどんな人間でも精神の深層部に入り込むことを可能にする」

リンチは2005年に教育と世界平和のための基金「David Lynch Foundation」を設立。全国の学校での瞑想プログラムをサポートするため既に500万ドル(約5億9900万円)の寄付を行ってきた。同基金は、瞑想を通して全国の学生がストレスを減らし、創造力、知性、そして活力を高めることを目指している。

「瞑想を始めた頃、私はとても大きな怒りを抱えていた。そしてその怒りを妻にぶつけていた。瞑想を始めて2週間後には怒りは消えた」とリンチは自身の経験を語った。

リンチが推奨するこの超越瞑想法は、かつてビートルズ(the Beatles)などから導師として崇められたマハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(Maharishi Mahesh Yogi)によって創始された。

写真は、フランス・パリのカルティエ現代美術財団(Cartier Foundation for Contemporary Art)で開催された展示会「The Air Is On Fire」の記者会見に臨むデビッド・リンチ(2007年3月1日撮影)。(c)AFP/DOMINIQUE FAGET