■著名ミュージシャンから絶えないラブコール

「デビッド・ボウイが私の寝室で演奏してくれた『レッツ・ダンス(Let's Dance)』は、みんなが知っている、そしてみんなが大好きなあの曲とはまるで別物だった。彼がアレンジしたという曲はまるでフォークソングのようだったよ」と語るロジャース。そして、自身が手掛けた有名な楽曲の大半について、多くの人はその関わりを知らないと続けた。

 シックのライブでは、デビッド・ボウイのヒット曲やマドンナの「ライク・ア・ヴァージン(Like A Virgin)」、デュラン・デュランの80年代の楽曲「ノートリアス(Notorious)」、ダフト・パンクの2013年のディスコヒット「ゲット・ラッキー(Get Lucky)」なども演奏される。「ゲット・ラッキー」はロジャースとファレル・ウィアムス(Pharrell Williams)も制作に参加しており、世界中で約1000万枚のセールスを記録。史上最も売れた曲の一つだ。

 これまでの数々のコラボレーションについてロジャースは、「イノベーティブになろうと思えば、なれるものだね」と語った。

 ロジャースの元には絶えず多くのミュージシャンからラブコールが寄せられる。最近ではオーストラリアのカントリーシンガー、キース・アーバン(Keith Urban)にも楽曲を提供したばかり。英歌手サム・スミス(Sam Smith)とも近年コラボレートしている。

「サム・スミスのために書くのと、デビッド・ボウイのために書くのとに差はない。私は常に、それぞれのミュージシャンのリアリティーというものを通した世界を見ようと努めている」とロジャース。現在は英ソウル歌手のローラ・マブーラ(Laura Mvula)とのプロジェクトに取り組んでいるとしながら、「私がこれまで手掛けてきた中でも最もクールなものの一つだよ。ガツンと来るぜ。超かっこいいんだ」と楽し気に話した。(c)AFP/Alastair HIMMER