「シック」引き連れて来日、ナイル・ロジャース インタビュー
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【12月8日 AFP】米国生まれの伝説的ファンクミュージシャンで、過去半世紀のベストヒットを数多く生み出してきたナイル・ロジャース(Nile Rodgers、63)だが、いまだロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りを果たしていないことについては、特別「変だとも思っていない」と謙遜してみせた──。
1970年代から第一線で活躍し続けているギタリストで、ディスコミュージックの草分け的存在であるバンド「シック(Chic)」では中心的な役割を果たしてきたロジャース。その一方で、シスター・スレッジ(Sister Sledge)やダイアナ・ロス(Diana Ross)、デビッド・ボウイ(David Bowie)、マドンナ(Madonna)、デュラン・デュラン(Duran Duran)、レディーガガ(Lady Gaga)、ダフトパンク(Daft Punk)といったそうそうたるミュージシャンらの作品を世に送り出してきたスーパープロデューサーでもある。
これらの輝かしい実績を持つロジャースだが、シックがロックの殿堂にいまだ名を連ねていないのは意外な気すらする。2016年度の殿堂入りアーティストは今月発表される予定で、シックは今回もジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)やチャカ・カーン(Chaka Khan)、ディープ・パープル(Deep Purple)、ザ・スミス(The Smiths)らと共に10回目のノミネートを受けている。
AFPは最近ツアーで来日したロジャースにインタビューを申し込んだ。グラミー賞(Grammy Awards)の受賞経験もあるロジャースは、ロックの殿堂に選ばれていないことについて、「正直な話、変だとも思ってはいないんだ」と答えたが、その後の笑顔に若干の本音を垣間見ることができた。そして「何を基準にしているのか分からない…でも正直ちょっとおかしくもある」「私は先に殿堂入りしている他の誰よりも多くのヒットレコードを書いてきたんだけどね!」とコメントしている。
実はロジャースにとって東京は、つらい記憶の残る場所でもある。1996年にシックがツアーで来日した際、公演当日の夜にベーシストのバーナード・エドワーズ(Bernard Edwards)が倒れ、そのまま他界してしまったためだ。
それでもロジャースとシックの現メンバーは、ダンスフロアの名曲の数々を華麗に演奏してみせた。ヒップホップ界でとりわけ何度もサンプリングされてきた、1970年代の「おしゃれフリーク(Le Freak)」や「グッド・タイムス(Good Times)」では、あの誰もが知っているだろうベースラインとギターのカッティングに会場が沸いた。