【12月5日 AFP】(更新、写真追加)米カリフォルニア(California)州サンバーナーディーノ(San Bernardino)の福祉施設で2日に14人が殺害された銃乱射事件について、米連邦捜査局(FBI)は4日、「テロ行為」として捜査していると発表した。

 米メディアはこれに先だち、捜査当局の見方として、死亡した容疑者夫婦の1人で妻のタシュフィーン・マリク(Tashfeen Malik)容疑者(27)が、交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)上で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者に忠誠を誓っていたと報じていた。

 福祉施設の年末パーティーで起きた今回の乱射事件では14人が死亡、21人が負傷。米銃撃事件としては、2012年にコネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)の学校で児童20人を含む26人が殺害された事件の後としては最多の死者を出した。マリク容疑者と夫で米国生まれのイスラム教徒のサイード・ファルーク(Syed Farook)容疑者(28)はいずれも警察との銃撃戦で死亡し、事件の動機はいまだ分かっていない。

 FBIロサンゼルス(Los Angeles)支部幹部のデービッド・ボウディッチ(David Bowdich)氏は記者会見で「大掛かりな計画があったことを示す証拠を発見した」と説明。複数の証拠に基づき「今回の事件をテロ行為として捜査している」と述べた。

 ただ、ジェームズ・コミー(James Comey)FBI長官は、容疑者夫婦が「より大きな組織の一部」だと示唆する証拠はないと述べている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)はFBIの発表に先立ち「現時点で容疑者2人は犯行を直接指示されたというよりは、自ら過激化しISに感化されて事件を起こしたとみている」との捜査当局者の談話を伝えた。

 また米CNNテレビは、捜査に詳しい米政府関係者の話として、マリク容疑者が事件の最中、別名で開設していたフェイスブックのアカウントにバグダディ容疑者に忠誠を誓う投稿をしていたと報じた。米ニュース専門局MSNBCが伝えた別の当局者の話では、この投稿は襲撃事件の直前に行われたという。(c)AFP