【11月16日 AFP】仏首都パリ(Paris)での連続襲撃事件の発生を受け、英バンドのモーターヘッド(Motorhead)や米ミュージシャンのマリリン・マンソン(Marilyn Manson)などのパリ公演が立て続けに中止となった。先週の襲撃事件では、パリ屈指のコンサート会場の一つが標的とされたことで、音楽業界に衝撃が広がった。

 パリ市内にある最も有名なコンサート会場の一つであるZenithは、事件への捜査を理由にコンサートの中止を当局から命じられた。モーターヘッドは、この会場で15日に公演を予定していたが、同バンドの公式ウェブページには、2016年までの公演延期の可能性が記された。

 マリリン・マンソンも、16日に同会場での公演が予定されていた。マリリン・マンソンは、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で18日に行われる公演からツアーを再開すると公式サイトで伝えている。

 これまでにも、アイルランドの人気ロックバンドU2が、14、15日に予定していたパリ公演を取りやめており、また米ロックバンドのフー・ファイターズ(Foo Fighters)も、パリで予定されていた世界ツアー最終日の公演を中止している。これらのバンド2組の公演は、「AccorHotels Arena」の別名でも知られる、市内最大の屋内競技場ベルシー(Bercy)で行われる予定だった。同会場の収容能力は2万人。

 今回の襲撃事件では、関係者が犠牲となったこともあり、音楽業界は大きな悲しみに包まれている。襲撃事件の犠牲者の中には、世界最大のレコード会社ユニバーサルミュージック・グループ(UMG)傘下の「ユニバーサルミュージック・フランス(Universal Music France)」の従業員が少なくとも3人が含まれていた。また、フランスの大手音楽雑誌「Les Inrockuptibles」も、ライターの1人が死亡したことを明らかにしている。

 事件当日、襲撃されたコンサート会場で公演を行っていた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)」のメンバーは全員無事だったが、英国人のスタッフが1人死亡している。(c)AFP/Anthony LUCAS