2.与野党とも過半数を獲得できない

 これがミャンマーで起きた場合、政治的駆け引きや連立に向けた動きが激しくなりそうだ。

 NLDは下院で過半数を獲得する可能性がある一方で、上院で多数を占めるのは難しいかもしれない。その場合スー・チー氏は、連立相手を模索する必要が出てくる。最も有力とみられる相手は、ミャンマーの少数民族を代表する政党だ。

 一方、USDPも少数民族政党との連立を検討する可能性はある。ただ、少数民族が何十年も軍事政権と戦闘を続けてきた事実を考慮すると、この案はUSDPにとって一段と困難なものとなる。

3. NLDが敗北、USDPが勝利

 自由公正な選挙が行われた場合、NLDが大敗すると予想する向きはほとんどいない。ただ、第三者による出口調査が行われず、選挙に関する統計も不足しているため、スー・チー氏の人気が実際に得票や獲得議席に反映されるかどうかを判断するのは非常に難しい。

4.最悪のシナリオ:社会の混乱

 政情不安定が続いているミャンマーの歴史や、軍が都合の悪い票を無視してきたこれまでの経緯を踏まえると、国内情勢が不安定化し、内紛に発展する可能性も排除できない。

 選挙で不正があったとする主張、またはその証拠が明らかになった場合、このシナリオが現実になる公算は大きくなる。(c)AFP