【5月20日 AFP】国連(UN)は19日、飢えと暴力に脅かされながらミャンマー沖の海上を船で何週間も漂流している難民の数が少なくとも2000人に上っていると発表した。

 密航業者が、ミャンマーとバングラデシュからの難民を東南アジアの沖合に放置したか、あるいはタイが最近になって取り締まりを強化したためにこれまでの密航ルートが遮断され、海上に置き去りにした可能性があるとみられている。

 インドネシアやタイ、マレーシアの海岸にはここ数日、海上で見捨てられた、ミャンマーの少数民族ロヒンギャ人やバングラデシュ人の難民約3000人がたどり着いている。しかしさらに数千人が、食べ物も水も十分にないまま、いまだに海上を漂っているとみられている。

 国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for RefugeesUNHCR)のビビアン・タン(Vivian Tan)報道官がAFPに明らかにしたところによると、少なくとも合わせて2000人の難民が乗った「5隻以上の船が、ミャンマーとバングラデシュの沖合を40日以上漂っている」という報告を受けたという。さらに「食料不足と脱水症状、暴力」の報告に「強い懸念」を示しており、これら難民の上陸が許可されるべきだと訴えた。

 しかしこれらの船は依然として密航業者らが取り仕切っており、1人当たり180~270ドル(約2万2000~3万3000円)を支払わない限り上陸を阻止しているという。

■マレーシア、インドネシア、タイ外相が緊急協議へ

 マレーシア、インドネシア、タイの外相は20日、東南アジア海上でこうした難民の問題に関する緊急協議を開くことになっている。3か国に対しては、飢えに苦しむ難民ら数千人を救出するよう、圧力が強まっている。(c)AFP