FIM会長、「接触」はバイクレースの一部
このニュースをシェア
【11月7日 AFP】国際モーターサイクリズム連盟(FIM)のビト・イッポリト(Vito Ippolito)会長は6日、先月行われた世界ロードレース選手権(WGP 2015)第17戦マレーシアGPで発生したバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)とマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)の衝突について、接触はバイクレースの一部であると述べた。
10月25日に行われたマレーシアGPのMotoGPクラス決勝で、モビスター・ヤマハ(Movistar Yamaha)のロッシはレプソル・ホンダ(Repsol Honda)のマルケスを蹴ったと見なされ、史上最多に並ぶ8度目の世界王座獲得を目指す中、シーズン最終戦のバレンシアGPでは最後尾からスタートすることになっている。
イッポリト会長はAFPに対し、「バイクレースはコンタクトスポーツではないが、接触(コンタクト)はその一部である」とし、「そうでなければレースではなく行進を見ることになるだろう」と語った。
しかしながら会長は、衝突の一件には「多くの人物が火に油を注いだ」としている。
この一件とロッシに対する処分はイタリアとスペイン両国の怒りを買い、ついには両国の首相が出身選手の支援に乗り出している。
ロッシは総合争いでチームメートのホルヘ・ロレンソ(Jorge Lorenzo)を7ポイント差でリードしているが、最後尾からのスタートでタイトルを逃す可能性もある。
どちらが8日に行われる最終戦で王者になったとしても、イッポリト会長は、来季のルール変更を招く可能性もあるバイクレース界のイメージを傷つけるようなこの数週間を過ごしたMotoGPが勝者になることを望んでいる。
イッポリト会長は、ある行為に対する自動的な制裁ではなく、各々の事例に基づいたより融通の利いた規則を求めている。
「現在のわれわれのシステムは、不平等なかたちで交通違反の点数を与えるのと変わらない。飲酒運転のスピード違反と出産間近の妊婦を連れて行く夫を同じように罰している!」
「レースは全くもって違う。われわれはしっかりと事実を見極め、ひいては自動的な罰則を避けるべきだ」
過去3シーズンでは、レーススチュワードがそれぞれの違反に対し、1ポイントから10ポイントの罰則を与えることができた。
ポイントは12か月間有効となっており、ペナルティーポイントが4点となった時点で処分が下される。ロッシはマルケスとの接触で3ポイントが加算され、これによりグリッド最後方からのスタートを余儀なくされた。
ペナルティーが7ポイントになるとピットレーンからのスタート、10ポイントになると次戦の出場停止(失格)処分が下る。最終戦で罰則が与えられた場合、最終戦のポイントは加算されない。
「この規則は若いライダーの熱を抑えこむといったような問題の解決のために作られ、受け入れられてきたが、新たな問題も引き起こした」
「型にはまった裁定をやめて、個別に分析を行っていくようにしていきたい」
「ありがたいことに、サーキットには多くのカメラがあり、映像が経験豊富な委員を助けてくれる。とはいえ、どんなスポーツにあっても、判断を下す中で少なからず主観性が入る」
(c)AFP/Sylvain DUBUS