【11月4日 Relaxnews】ドローン(小型無人機)がオーストラリア東部の人気ビーチスポットを周回し、「リスニング・ステーション」がタグを付けしたサメを追跡する── ビーチを安全にする新たな取り組みが10月25日、発表された。

 オーストラリアは人間がサメに襲われる事例が世界で最も多い国の一つで、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州では今年13件発生した。2月には日本人男性1人が足を噛み切られて死亡、他の12件でも7人がケガを負った。

 同国で最も人口が多く、サメの駆除は行わないことを決めているニューサウスウェールズ州は、次世代のソナーシステムや上空からの監視の強化などを含む5か年計画を発表した。

 州政府のニール・ブレア(Niall Blair)第一次産業相は、この多面的なアプローチは、豪シドニー(Sydney)で最近開催されたサメ問題の会議やコミュニティーの協議に参加した専門家の助言に沿ったものだと述べた。

 1600万オーストラリア・ドル(約14億円)を投じ、サメへの危害を最小限に抑えつつ遊泳者やサーファーを守る計画になっており、ヘリによる監視を強化する一方、リアルタイムの映像が得られるドローンによる監視を試験的に導入する。

 これまでも行われていたサメのICタグ付けも強化される。サメが多く出没するホットスポットにはサメを検知するソナー(水中音波探知装置)を搭載したブイと「リスニング・ステーション」20基を設置。4G技術を使ってタグ付けしたサメを監視する。

 サメに関するリアルタイムの情報はモバイルアプリ「シャークスマート(SharkSmart)」でアクセスできるようになる予定。(c)Relaxnews/AFPBB News