■14年投資は2500億ドル超え

 同じく14年の再生可能エネルギーへの投資は2500億ドル(約30兆6150億円)を超え、前年比8.5%増だった。150か国の削減目標を発表した席で、UNFCCCのクリスティーナ・フィゲレス(Christina Figueres)事務局長は「資本市場はすでにダーティー・テクノロジーからクリーン・テクノロジーへ移行を始めている」と述べた。

 このことは、固定電話がなかった地域でいきなり携帯電話が普及するように、貧困国が化石燃料を利用する開発段階を飛び越える可能性も秘めている。例えば「3億人が電気のない生活を送っているインドは、分散的な再生可能エネルギー基盤の戦略を通じて、村や集落に住む人々に持続可能なエネルギーサービスを提供する方が容易で、費用効率も高いことに気付き始めている。そうした国は化石燃料時代を飛び越える構えだ」とメイヤー氏はいう。

 しかし現段階では、再生可能エネルギーは全世界の発電量の約20%しか占めておらず、その4分の3は水力だ。現在世界で消費されるエネルギーの源で圧倒的に多いのは石炭、石油、ガスであり、原子力を除いたクリーン・テクノロジーは5%にも満たない。再生可能エネルギーの4倍にもあたる額の50億ドル(約6120億円)以上の化石燃料補助金が、低炭素経済への移行を妨げてもいる。(c)AFP/Marlowe HOOD