【10月30日 AFP】イスラエル・テルアビブ(Tel Aviv)行きのイベリア(Iberia)航空機の乗客たちは、目的地のテルアビブに到着する際に機長が機内放送で行った発言にショックを受けた。

 イスラエルのメディアは、機長が「Welcome to Palestine(パレスチナへようこそ)」と発言したと広く報じている。一方、イベリア航空側は機長が全く別のことをスペイン語で話したと主張している。

 イスラエルメディアによると、ある乗客はイベリア航空に対し「私と家族はひどく気分を害した」と抗議文を送った。イスラエルの日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)は、抗議する乗客に詰め寄られた機長が操縦室に鍵をかけて隠れたとまで報じている。

 また、イスラエル外務省はAFPの取材に、在スペイン・イスラエル大使館がイベリア航空に抗議したと述べ、28日に起きたこの騒動に対する非難を表明した。

■「デスティノ」を「パレスチナ」と聞き間違い?

 イベリア航空側は当初、謝罪を表明。しかし調査後、声がこもりがちな機内アナウンスの聞き間違いによって起きたトラブルだったとの見解を発表した。

「機内放送で『パレスチナ』という単語は使われていなかった」とイベリア航空は声明を発表。「機長は通常の形式に従って、出発地と目的地の空港名だけを述べ、国名・地域名などについては触れなかった」と述べた。

 その上で、「この誤解は、目的地を意味するスペイン語の『destino(デスティノ)』と『パレスチナ』の発音が似ていることによって起きた可能性があり、イベリア航空と乗務員はこの誤解を残念に思っている」と説明した。(c)AFP