【10月29日 AFP】太平洋の島国、パラオは28日、スペインの国土に匹敵する広大な海洋保護区を設置し、国の海域の大半で漁業を禁止した。次世代に向け、海の生態系を保護することが目的だという。

 新たに設置が決まった保護区は、50万平方キロの広さを誇り、世界最大級となる。この海域には1300種の魚類と700種類のサンゴが生息している。

 パラオのトミー・レメンゲサウ(Tommy Remengesau)大統領は、同国の周辺海域80%を保護区に設定することにより、いくつかの種を絶滅の危機に追いやった数十年に及ぶ商業漁業によるダメージから、海は回復するだろうと述べた。

 保護区の設置は今後5年間で段階的に実施される。保護区内の比較的小さなエリアは地元漁業のために開放されるが、太平洋で大規模に展開する外国漁船の操業は禁じられる見通し。

 この漁業禁止計画により、パラオは年間収入約550万ドル(約6億6400万円)のマグロ産業より、国内総生産(GDP)の50%に相当する約1億6000万ドル(約193億円)の収入をもたらす観光産業を優先したかたちだ。(c)AFP