【10月27日 AFP】ロシアの名門ボリショイ・バレエ団(Bolshoi Ballet)は26日、イタリアのスカラ座(La Scala)でバレエ団監督を務めるマハール・ワジーエフ(Makhar Vaziev)氏が、13年に酸攻撃を受けて目に永久的な損傷を受けたセルゲイ・フィーリン(Sergei Filin)氏の後任として、同団の新たな監督に就任すると発表した。

 ワジーエフ氏は、旧ソ連時代に一時キーロフ・バレエ(Kirov Ballet)と改名された現マリインスキー・バレエ団(Mariinsky Ballet)で主役級を務めたバレエダンサーで同バレエ団を13年にわたって率いた後、イタリアに移住し、7年前にスカラ座のバレエ団監督に就任した。

 ワジーエフ氏の就任で、準主役級ダンサーの一人が芸術監督への酸攻撃を首謀したというボリショイ・バレエ団史上最も波乱に満ちた章に幕を引くことができるのではという期待もある。

 フィーリン氏は2013年1月、酸性の液体を顔にかけられ目などに重傷を負い、一時は失明の恐れもあった。事件の首謀者で同バレエ団の元ソリスト、パーベル・ドミトリチェンコ(Pavel Dmitrichenko)被告の当時の裁判では、団内の激しい敵対関係が露呈したことに加え、フィーリン氏が金銭や性的行為の見返りに役を与えていたという醜聞までもが浮上、バレエ界に激震が走った。ドミトリチェンコ被告には、懲役6年が言い渡されている。

 ボリショイ劇場のウラジーミル・ウリン(Vladimir Urin)総支配人は今年7月、フィーリン氏の芸術監督としての契約を更新しない意向を表明していた。

 ウリン氏は26日、フィーリン氏の契約更新を行わなかった理由はという質問への回答は避けたものの、フィーリン氏が別の役目でボリショイに残る可能性はあると語った。(c)AFP/Anna MALPAS