【10月26日 AFP】フィリピンの自然保護当局は25日、同国の島の一つでしか発見されていない絶滅危惧種のヤマガメが、中国の需要により危機的状況にあると明らかにした。

 パラワン持続可能な開発委員会(Palawan Council for Sustainable Development)のアドリナ・ビレナ(Adelina Villena)氏によると、このヤマガメは、フィリピン西部パラワン(Palawan)島にしか生息していないフィリピンヤマガメ。珍味や医薬品、ペットとして、中国で販売することを目的に密猟されている数多くの淡水ガメの一種で、「フィリピン国外に密輸され、公海上で取り引きされることもある」という。

 パラワンヤマガメとも呼ばれるこのヤマガメは、国際自然保護連合(IUCN)によって「絶滅危惧IA類(近絶滅種)」に分類され、森林や小川に生息している。

 ビレナ氏によると、この希少なヤマガメ約20匹が18日、パラワンで野生動物密売業者らが捕獲したヤマガメ約1000匹の中から押収されたという。

 淡水ガメの密猟は最近増加しており、パラワン州では6月、違法に捕獲・飼育されていたフィリピンヤマガメを含む淡水ガメ4000匹以上が保護されている。(c)AFP