【10月26日 AFP】25日に投開票されたポーランド総選挙は、反難民政策や福祉充実を公約に掲げたヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)元首相率いる欧州連合(EU)懐疑派の保守派野党「法と正義(PiS)」が単独過半数を獲得し、8年続いた中道派政権に終止符が打たれる見込みとなった。

 公共放送ポーランド・テレビ(TVP)の出口調査結果によれば、定数460の下院でPiSは242議席を獲得し、133議席獲得のリベラル派与党「市民プラットフォーム(PO)」に圧勝。カチンスキ元首相は勝利を宣言し、PO党首のエバ・コパチ(Ewa Kopacz)首相は敗北を認めた。

 選挙戦では、経済政策に加え、第2次世界大戦(World War II)以後で最悪の規模に発展している移民危機が焦点となった。PiSは家族向け福祉の充実や、銀行や外資系大型スーパーマーケットへの課税、中小企業向けの減税を約束。またカチンスキ元首相は、難民たちが「ギリシャの島々にコレラを、ウィーン(Vienna)に赤痢を、そしてさまざまな種類の寄生虫を持ち込んでいる」などと述べて難民に対する恐怖をあおり、批判を集めていた。(c)AFP