【10月23日】ドイツ検察当局は22日、難民保護申請者の宿泊施設への放火計画を阻止したことを明らかにした。記録的な数の移民が押し寄せる欧州では、増加する移民襲撃事件への懸念が強まっている。

 ドイツ検察当局によると、南部バンベルク(Bamberg)で、難民保護申請者の宿泊施設2か所に対する放火を企てていた疑いで、男女13人が逮捕された。容疑者らは極右運動のメンバーであったと同時に、移民に対する襲撃を計画していた犯罪組織に属していたとされる。

 欧州では、流入する移民や難民に対する反感が高まっている。エーゲ海(Aegan Sea)では、移民を乗せてトルコからギリシャに向かっていた船が襲われる事件が再び起きたとの報告が、新たに発表された。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が22日に明らかにしたところによると、エーゲ海で10月上旬、武装した覆面の男たちがスピードボートで数隻のゴムボートに体当たりし、ボートのエンジンを盗む事件が起きた。こうした事件はここ数か月、移民や人権団体から報告されている。

 また、スウェーデンでは、剣を持った覆面の男が、移住したばかりの移民の子どもが多数通う学校を襲撃、教師1人と生徒1人が死亡している。男は極右思想に共感していたと報じられているが、詳しい動機は不明だ。

 ドイツ連邦刑事庁(BKA)の発表によると、ドイツ全土では7月~9月の3か月間で移民施設に対する襲撃が285件あり、2014年の合計198件を超えている。(c)AFP/Hui Min NEO with Bojan KAVCIC in Dobova, Slovenia