【10月24日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)への不透明な670万ユーロ(約9億円)の送金が疑われているドイツサッカー連盟(DFB)で会長を務めていたテオ・ツバンツィガー(Theo Zwanziger)氏は23日、2006年のW杯の招致活動において間違いなく裏金があったと主張した。

 24日に発売される独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)のインタビューでツバンツィガー氏は、「ドイツのW杯招致の過程において裏金があったことは明らかだ」と語っている。

 2006年から2012年までDFBの会長を務めたツバンツィガー氏は、「DFBの(ウォルフガング・ニールスバッハ<Wolfgang Niersbach>)現会長は間違いなく2005年にこのことを知っていた。彼が主張しているように数週間前ではない」としている。

「私の見解では、ニールスバッハはうそをついている」

 シュピーゲル誌は先週、ドイツのW杯招致委員会が独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)で当時最高経営責任者(CEO)を務めていた故ロベール・ルイ・ドレフュス(Robert Louis-Dreyfus)氏から1030万スイスフラン(約12億9000万円)を借り受け、FIFAのアジア人理事の票の買収に利用したと報じ、ドイツサッカー界に衝撃を与えている。

 2000年7月に行われた開催地決定の投票でドイツは、南アフリカを12対11で破り、大会招致に成功した。

 なお、FIFAは今週、当時大会組織委員会の会長を務めていたフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏を調査していると発表したが、どのような根拠に基づいたものかは明らかにしていない。

 22日に行われた緊急会見でニールスバッハ会長は、支払いはW杯の開催助成金1億7000万ユーロ(約228億円)の手付金であり、「裏金も買収もない」と不正な点はなかったと主張している。(c)AFP