【10月17日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)は16日、2006年のW杯ドイツ大会の組織委員会が国際サッカー連盟(FIFA)に670万ユーロ(約9億円)を送金したものの、これが開催権の獲得に利用されたわけではないと明かした。

 FIFAの汚職スキャンダルを受けてDFBは2006年のW杯招致に関する内部調査を進めていたが、その中で今回の送金が明らかになった。

 DFBは、「2005年4月に670万ユーロがFIFAに支払われたが、当初指定された目的(FIFA文化プログラム)ではないものに利用された」とし、調査の中で招致活動に不正はなかったと声明を発表。「その約5年前の(2006年W杯)開催権獲得に送金は無関係である」と強調している。

 一方で、独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、同W杯招致委員会が独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)で当時最高経営責任者(CEO)を務めていた故ロベール・ルイ・ドレフュス(Robert Louis-Dreyfus)氏から1030万スイスフラン(約12億9000万円)を借り受け、FIFAのアジア人理事の票の買収に利用したと報じている。

 2000年7月に行われた開催地決定の投票でドイツは南アフリカを12対11で破り、大会招致に成功した。

 さらに同誌は、2005年にルイ・ドレフュス氏が返済を求めたため、DFBがスイス・ジュネーブ(Geneva)にあるFIFAの口座を利用して670万ユーロを同氏に送金したとしている。

 シュピーゲル誌は加えて、大会組織委のフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)会長や、当時DFBの事務局長だったウォルフガング・ニールスバッハ(Wolfgang Niersbach)現会長が、この金の流れを感知していたと伝えている。(c)AFP