【10月21日 AFP】香港(Hong Kong)を旅行中に「強制ショッピング」をめぐるいざこざに巻き込まれ、集団暴行を受けて意識不明となっていた中国本土出身の観光客の男性(54)が20日、死亡した。警察が発表した。

 男性は19日朝、繁華街のホンハム(Hung Hom)地区にある宝飾店前で意識不明の状態で倒れていたところを、駆け付けた警察が発見。翌20日に搬送先の病院で死亡した。

 中国北部出身の建設作業員だったこの男性は、同じツアーに参加していた別の観光客と添乗員との間で発生した口論をなだめようとしていた。地元メディアによると、口論のきっかけは、この観光客が宝飾店での買い物を拒否したことだった。

 中国本土から香港への観光客の多くは、ツアー旅行で同地を訪れるが、こうした観光ツアーでは近年、添乗員が参加者を店舗に連れて行って買い物を強要する「強制ショッピング」に対する苦情が相次いでいる。

 警察は20日、「初動捜査の結果、32歳と53歳の女2人が買い物に関わることでもめ、仲裁に入った男性が別の人物らから襲われたことが分かった」と発表した。

 女2人は公衆の面前での乱闘容疑で逮捕された。また、男2人も逮捕され、殺人事件として捜査が進められている。

 同市観光協議会は以前にも、中国本土からの観光客らから、ツアー旅行の添乗員に買い物に連れて行かれ、店を出たいと訴えても店内に残るよう強要されたというクレームが寄せられていると明かしていた。(c)AFP