【10月19日 AFP】2006年のサッカーW杯ドイツ大会で、招致委員会の会長を務めたフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏が18日、国際サッカー連盟(FIFA)に関連する最新のスキャンダルとなった大会招致における買収疑惑を否定した。

 独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は16日、2006年大会で買収による票集めがあったと報じ、ドイツサッカー連盟(DFB)とFIFAに揺さぶりをかけた。

 70歳のベッケンバウアー氏は声明を出し、「2006年のW杯をドイツに招致するため、送金により票を集めたことはない」と報道を否定すると、「招致委員会の中にもそんなことをやったメンバーはいないはずだ」と続けた。同大会の招致委員会と組織委員会で会長を務めたベッケンバウアー氏が報道に対して反応を示すのは、この声明が初めてだった。

 2006年W杯開催地決定の決戦投票では、ニュージーランドのチャールズ・デンプシー(Charles Dempsey)氏が投票を棄権し、ドイツが12対11で南アフリカを破った経緯がある。

 シュピーゲル誌は、2000年にDFBが独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)の最高経営責任者(CEO)だった故ロベール・ルイ・ドレフュス(Robert Louis-Dreyfus)氏から1030万スイスフラン(約12億9000万円)を借りて、FIFAの理事24人のうち、アジア出身の4人の買収に使用したと報じた。

 また、2005年にDFBが670万ユーロ(当時の為替レートでは借りたスイスフランと同額)をFIFAの口座に送り、ルイ・ドレフュス氏への返済に充てたと伝えている。

 DFBは報道による批判を避けるために先手を打ち、FIFAへの送金を認めたものの、2006年のW杯には関係がないとする声明を発表した。

 DFBのボルフガング・ニールスバッハ(Wolfgang Niersbach)会長は、「賄賂は存在しなかった」と主張し、「W杯は買収されたものではない」と強く否定した。

 ニールスバッハ会長は、内部調査がまだ終了していないものの、「問題の支払いとW杯の関連を除外できると確信している」と述べている。(c)AFP