モーツァルトの書簡に2600万円、親友に「楽譜を返して」
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【10月16日 AFP】オーストリアの作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)が親友に宛てた自筆の手紙が、米国のオークションで21万7000ドル(約2600万円)で落札された。オークションを主催した米ボストン(Boston)の競売会社RRオークション(RR Auction)が15日、明らかにした。
この希少な手紙は、紙1枚にモーツァルトによるドイツ語の文章とサインが記されたもの。1786年の7月か8月に書かれたとみられ、著名な植物学者だった親友のニコラウス・ヨーゼフ・フォン・ジャカン(Nikolaus Joseph von Jacquin)に自作の曲3作品の楽譜を返してほしいと頼んでいる。
「四重奏曲ト短調、ソナタ変ホ長調、それに新曲のト音の三重奏曲の楽譜を、この手紙を届けた使者に持たせてお返し願いたい」
手紙に列記された作品はそれぞれ、1785年に発表された「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」と「バイオリンソナタ第33番変ホ長調」、それに「ピアノ、バイオリン、チェロのための三重奏曲ト長調」を指すとみられる。
「三重奏曲ト長調」の完成は1786年7月8日であることから、それからまもなく手紙が書かれたのではないかとRRオークションはみている。
RRオークションによれば、落札者は「東海岸の音楽コレクション収集家」で、この手紙は彼のコレクションのなかでも目玉的なものとなりそうだということだ。(c)AFP