【6月25日 AFP】1936年出版のベストセラー小説『風と共に去りぬ(Gone With the Wind)』の主人公スカーレット・オハラ(Scarlett O'Hara)がレット・バトラー(Rhett Butler)とよりを戻すかどうか、作者マーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell)は書く気がなかったわけではなく、単にどうすべきなのか分からなかった──今週、米国で競売に登場したファンに宛てたミッチェルの手紙が明らかにしている。

 1936年、『風と共に去りぬ』が出版されてから5か月後にミッチェルは「本の結末について、そしてレットが妻(スカーレット)の元に戻るかどうかについて聞かれると、実は困ります。私自身、分からないのです。正直、この結末の後、登場人物たちに何が起こるか、考えたこともありません」と説明している。また「この話を書き始めたときに本にするつもりがあったのかと聞かれれば、その通りで、一語でも紙に書き出す前にすべての詳細は頭の中にありました」とも記している。

 今回競売に出される1936年11月~38年8月の期間の日付入りの手紙はそれぞれ1ページだが、米文学史上最も読まれた本となり、ハリウッド(Hollywood)映画の最高ヒット作の1つの原作となった小説の創作過程を深くうかがい知ることができる。

 競売会社は米マサチューセッツ(Massachusetts)のRRオークション(RR Auctions)。ハリウッド関連のオンライン競売の最新リストで26日まで入札を受け付けている。自筆メモが入ったミッチェルやその著作に関する小冊子や、熱心なファンが集めた記事のスクラップブックなどがセットになっており、23日の時点で入札最高額は3300ドル(約34万円)を超えている。(c)AFP