【10月15日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の著書「わが闘争(Mein Kampf)」の著作権の保護期間が2015年末で切れることを受け、ドイツ語とフランス語で再版準備が進められていることが分かった。仏パリ(Paris)の出版社が14日、認めた。

 仏出版社ファイヤール(Fayard)は声明で、4年にわたる熟慮の末、解説を付した仏語版の出版に踏み切ると発表した。

 一方、ドイツ語版は、独ミュンヘン(Munich)にある公的機関「現代史研究所(Institute of Contemporary History)」が、同書の「歴史的重要性」を鑑みて、解説を加える形で再版を手掛けることになっている。

 反ユダヤ主義・軍国主義を掲げるとともに自伝的要素も含んだ2巻組の同書は、1925年と1926年に初版がそれぞれ出版されたが、第2次世界大戦(World War II)でヒトラーとナチスが敗北して以後、ドイツでは出版禁止となっており、仏語版も1934年以来、再版が行われていなかった。ただ、英語版はさまざまな翻訳が出版されており、インターネット小売り大手アマゾン(Amazon)などで容易に手に入る。

 独バイエルン(Bavarian)州が保有していた同書の著作権は、ヒトラーの死後70年を経て、今年12月末に消滅する予定となっている。(c)AFP