【10月15日 AFP】イスラエルは14日、パレスチナ人によるユダヤ人襲撃が相次いでいる東エルサレム(Jerusalem)への検問所設置を開始し、兵士300人を動員して巡回警備を強化した。しかし、1つ目の検問所設置に伴う道路封鎖からわずか数時間後、刃物を使った襲撃事件が新たに2件起き、エルサレムには衝撃が広がっている。

 新たな襲撃事件のうち、1件は旧市街の門で起きた。男が警備員を刃物で刺そうとしたが、その場で射殺され、負傷者はなかった。報道によると、容疑者はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のヘブロン(Hebron)出身の男(20)だという。

 2件目は、通勤客で混雑するエルサレム中心部のバスターミナル近くで起き、パレスチナ人の男(23)が70歳前後の女性を刃物で刺して軽傷を負わせた。男は駆け付けた警察官に射殺された。

 相次ぐ襲撃事件を受け、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対策を求める圧力は増しているが、いら立ちを募らせたパレスチナ人の若者たちは鎮静化の呼び掛けに耳を貸していない。こうした中、イスラエル警察当局は兵士300人が警察官の巡回に加わると発表した。

 一方、イスラエル政府は14日、イスラエル人を対象とした銃規制法の緩和、刃物による襲撃事件の容疑者からの東エルサレム居住許可剥奪などの強化措置を発表した。

 エルサレムやパレスチナ自治区では今月に入って暴力事件や衝突が急増し、「第3次インティファーダ(パレスチナ住民による反イスラエル闘争)」の懸念が高まっている。10月1日以降、イスラエル人は7人が死亡、数十人が負傷。一方のパレスチナ人は、10代の若者たちや襲撃事件の容疑者を含めて30人以上が死亡し、イスラエル治安部隊との衝突で数百人が負傷している。(c)AFP/Joe Dyke、Daphne Rousseau