【10月12日 AFP】中東のパレスチナ自治区やイスラエルで、パレスチナ人とイスラエル人との衝突が暴力の応酬に発展している。ヨルダン川西岸(West Bank)と東エルサレム(East Jerusalem)ではイスラエルの治安部隊とパレスチナ人との衝突は10日間を越え、パレスチナ人によるユダヤ人殺傷事件も相次いでいる。

 10日夜にはガザ地区(Gaza Strip)北部で、イスラエルの空爆で民家が破壊され、妊婦と2歳の娘が死亡。

 11日にはヨルダン川西岸ラマラ(Ramallah)近郊で起きた衝突の最中、パレスチナ人の少年(13)がイスラエル軍兵士に撃たれて死亡した。パレスチナ保健省が明らかにした。

 この日はヨルダン川西岸各地で衝突があり、医療関係者によるとパレスチナ人数十人が撃たれて負傷した。

 さらにパレスチナ少年が銃撃されてから数時間後、イスラエル北部のGan Shmuelキブツ(農業共同体)近くで、アラブ系イスラエル人の男が車で人混みに突っ込み、イスラエル軍兵士2人をはねた。イスラエル軍によると、このうち19歳の女性兵士は重傷。20歳の男性兵士は軽傷だという。男は車を降りると、さらに14歳少女と45歳男性を刺した。

 Gan Shmuelでイスラエル人がパレスチナ人に刺される事件は3日以降15件目だが、アラブ系イスラエル人によるものは初めてだ。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長双方が暴力激化の防止に努めているが、怒りを募らせ暴徒化する若者たちを止められずにいる。(c)AFP/Jonah Mandel