■「圧倒的に良いプレー」

 ツォンガは、「今日は何も言うことがない。彼は他の選手と比べて、圧倒的に良いプレーをしている。とても安定しているよ」とジョコビッチを評すと、「彼を倒すにはベストのテニスをする必要があるのはみんな分かっているけど、それを毎試合でやるのは難しいことも事実だ」と続けた。

「現段階では、彼のレベルが他の選手を上回っていると言うしかないね」

 大音量の音楽とドライアイスの中で、ロックミュージシャンが決勝戦の会場を盛り上げたが、ツォンガは立ち上がりから失速。第1セットの第1ゲームと第3ゲームではブレークポイントでショットをネットにかけ、0-3と一気にリードを奪われた。

 ジョコビッチは珍しくエラーを犯して、ツォンガにブレークを許したものの、すぐさま主導権を取り戻し、最後はラブゲームで第1セットを先取した。

 迎えた第2セット、ツォンガは序盤にサービスエースを決めるなど調子を上げた。ジョコビッチがラブゲームでサービスキープし、ツォンガにプレッシャーを与え続けるも、これに動じず4-3までサービスゲームを守り続けた。

 しかし第9ゲームでツォンガが崩れ、ダブルフォールトでジョコビッチに5-4の決定的なリードを与えると、次がサービングフォーザマッチとなった。

 最初のマッチポイントでツォンガのロブがアウトになると、ジョコビッチは会場の歓声を浴びながら優勝を祝った。

 パリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2015)とATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2015)を目前に控え、ジョコビッチは「今年いっぱい無敗を維持しようとは思わないけど、まあそれも選択肢の一つだ」とコメント。最後は「次の試合に関係する哲学とアプローチにだけ、焦点を当てていこうと思うよ」と一試合一試合を確実に積み重ねていく姿勢をみせた。(c)AFP/Talek HARRIS