■「本当の意味での変温ではない」

 うち1種は、首の長い大型の竜脚類「ティタノサウルス(Titanosaur)」で、陸生動物の中で最大級の部類に入る。もう1種は、それより小型の獣脚類オビラプトル科の恐竜で、ティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)や現生鳥類の近縁種。

 研究チームは、卵殻の主成分である炭酸カルシウムに含まれる希少な同位元素(アイソトープ)の炭素13と酸素18の性質を分析した。これらの同位元素は、温度が低いほど、より密に凝集する傾向がある。

 イーグル氏の共同研究者、アラドナ・トリパティ(Aradhna Tripati)氏は「この技法により、母親恐竜の産卵時の体内温度を知ることができる」と説明。研究の結果、ティタノサウルスの母親恐竜の体温は約38度だったことが分かった。健康な人間の体温は37度だ。

 一方で、研究チームによると、ティタノサウルスより体が小さいオビラプトル科の恐竜は体温が低く、32度未満だった可能性が高い。ただ、周囲の気温を上回る温度にまで体温を上昇させる能力はあったと思われるという。モンゴルの営巣地の周囲で見つかった化石化した土の当時の温度は約26度だったと考えられている。

「オビラプトル科恐竜の体温は、周囲の気温より高かった。これは、この恐竜が本当の意味での変温性ではなく、中間的存在だったことを示唆している」とトリパティ氏は指摘している。(c)AFP/Joshua MELVIN