【10月9日 AFP】ロシア軍がシリア領内の標的に向かって発射した巡航ミサイルのうち4発がイランに着弾したと米当局者が8日、明らかにした。死傷者の有無などの詳細については言明を避けた。

 匿名を条件に取材に応じたこの当局者は、これら4発のミサイルが7日にイラン領内に着弾したと述べたが、着弾した場所や被害に関する詳しい情報については触れなかった。また、イランに着弾したミサイルが、カスピ海(Caspian Sea)のロシアの軍艦から一斉発射されたもののうちの4発ということ以外、どのような巡航ミサイルだったかについても言及しなかった。

 ロシア国防省は公式ウェブサイトに、ミサイル26発がイランとイラク上空を通過し、シリア領内に着弾する様子を示したビデオマップを掲載している。

 この事態を受けて、アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官は8日、ロシアの軍艦がこれらの巡航ミサイルを「警告なしに」発射したとして非難した。

■ロシア国防省は否定

 これに対しロシア国防省の報道官は声明で、「こういった作戦の最中には、常時着弾の前後で標的の調整を行うということを、専門家なら誰でも知っている。われわれが発射した巡航ミサイルは標的に命中している」と述べ、米当局者の話を否定した。(c)AFP