【10月2日 AFP】ロシア軍は1日、シリア領内でバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対抗する反体制派勢力を対象とした新たな空爆を実施した。

 ロシア軍によるシリア空爆は前日に続き2日目。ロシアが旧ソビエト連邦構成国以外で軍事作戦を行うのは、1979年のアフガニスタン侵攻以来だ。

 ロシア国防省は、1日に空軍がシリアのハマ(Hama)県やイドリブ(Idlib)県にあるイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の標的5か所を攻撃したと発表。アサド大統領の主要な支援国となっているロシアは先に、空爆により「テロリスト」の拠点、武器庫、司令部、自動車爆弾工場を破壊したと発表していた。

 しかしシリアのある治安筋は、空爆の標的は強力な反体制派勢力「征服軍(Army of Conquest)」だったと話していた。ISに激しく対抗するこの勢力には、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」が含まれる。

■「米と同じ標的を攻撃」と強調

 米国は、ロシアが穏健派の反体制派を対象とした空爆を行っていると非難しているが、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は1日、米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部で開いた記者会見で、ロシアは米国と同様にISとアルヌスラ戦線を攻撃していると強調。

 ロシアの標的について、「わが国も(米主導の有志)連合軍と一致している」「同じアプローチを採っている。ISIL(ISの別称)、アルヌスラ戦線、そしてその他のテロリスト集団だ」と語った。

 一方で同外相は、具体的にどの集団をテロリストと捉えているのかという質問については深入りを避けたものの、米とトルコが支援している反体制派の「自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)」についてはテロリストだとは考えていないと明言した。

 また、ロシアの空爆により民間人が犠牲になったとの主張について、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は「情報戦」の一環だと否定した。(c)AFP