【9月16日 AFP】クロアチアのゾラン・ミラノビッチ(Zoran Milanovic)首相は16日、移民にクロアチア領内の自由な通行を認めると表明した。

 ミラノビッチ首相は議会で「(移民は)クロアチアを通過できるようになる。その実現に向けてわれわれは集中的に取り組んできた」と語った。「われわれは彼らの入国を認め、彼らをドイツやスカンディナビア諸国など彼らが希望する行き先へ向かわせる。宗教や肌の色は問わない」

 これに先立つ同日、ミラノビッチ首相は、ハンガリーがセルビアとの国境を封鎖してから初めて、中東からの難民約150人がセルビアからクロアチアに入ったことを明らかにした。

 同首相は「この人たちが希望する行き先はクロアチアでもハンガリーでもない。国内を通過させることのどこに問題があるのか」と述べ、北東部で国境を接するハンガリーを強く批判した。クロアチアは約6000人の国境警察官を動員しており、約3000人の移民を受け入れる用意があるとしている。

 クロアチアのメディアは、同国の国土面積の1%近くに当たる550平方キロメートル以上の土地に1990年代のユーゴスラビア紛争で敷設された地雷が残っているとみられており危険だと伝えているが、政府の地雷除去当局は、地雷があるところは警告の標識で明白に識別されていると強調している。(c)AFP