■抜本的な改革

 2013年に脳梗塞で倒れたジョーンズHCだが、その後は完全に回復して仕事に復帰すると、日本代表の抜本的な改革を主導してきた。

 2016年には世界最高峰のラグビーリーグ、スーパーラグビー(Super Rugby)に日本のチームが新規参戦することになっている。

 それについては、ホストを務める2019年のW杯に向けた強化で日本代表が「苦戦」しないためには、スーパーラグビーに参戦するしかないと力説したジョーンズHCの影響も大きかった。

 その一方で、歯に衣着せぬ物言いで知られるジョーンズHCは、若年層の育成システムがいまだに整備されておらず、それが代表の強化を阻む障害として残っている点を指摘し、U-20レベルで悲惨な成績が続いているのは、協会の視野の狭さが原因だとしている。

 2013年のアジア5か国対抗(HSBC Asian Five Nations 2013)では、フィリピンを121-0で一蹴するなど、アジア随一の強豪とされる日本代表だが、世界レベルにおいては、日本は格下という認識が浸透しており、それを変える任務は容易ではない。

 特に、1995年のW杯南アフリカ大会でオールブラックスに大会記録となる17-145で大敗した記憶は、W杯が開催されるたびに、日本代表に暗い影を落としている。

 自身の哲学に賛同しない者には一切容赦をせず、最後の晴れ舞台で、日本に自らの財産を残すことを考えているジョーンズHCとって、今大会は選手たちがどこまで自身に忠誠を誓っているかを示すテストになるだろう。(c)AFP/Alastair HIMMER