【9月9日 AFP】8日に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア2次予選のマレーシア対サウジアラビアの一戦で、観客が発煙筒を投げ込むなど妨害行為をはたらき、試合が中止に追い込まれる事態が起きた。

 事件が発生したのは、マレーシアが1-2とリードされて迎えた試合終盤だった。――後半43分、過激サポーターグループの「ウルトラス・マラヤ(Ultras Malaya)」が、オレンジ色の煙を上げる発煙筒を大量に投げ込み、会場のシャー・アラム・スタジアム(Shah Alam Stadium)のピッチには、花火の爆音も鳴り響いた。

 両チームの選手と審判団は、警護されながら控室に下がり、サウジアラビアのサポーターもスタジアムから退出した。そして試合はその後、中止になることが決まった。

 マレーシアのキム・スウィー・オン(Ong Kim Swee)暫定監督はAFPに対し、「中止だ。再開はない」とコメントした。

 報道ではサウジアラビアのサポーター2人が襲撃にあったともされており、警察は騒乱罪で11人を逮捕したと発表している。

 マレーシア代表チームは先日、アラブ首長国連邦(UAE)に同国史上最悪となる0-10の大敗を喫しており、ファンは不満を募らせ、ウルトラス・マラヤも試合前の時点で妨害を示唆していたが、今回の事件はそうした怒りが爆発した形となった。

 アジア・サッカー連盟(AFC)の本部があるマレーシアでは、ファンの暴動と八百長が大きな問題となっており、今回の醜悪な場面は、同国サッカーの印象をさらに悪化させるものになった。(c)AFP