【9月8日 AFP】トルコ沖で水死したシリア人男児の遺体の写真が世界を揺るがしている中、欧州当局は、こうした悲劇の一端を担っているとされる推定3万人の密航あっせん容疑者の摘発を最優先課題に挙げている。

 当局によれば、数十億ドル規模の広がりを見せているともされる密航業界は、シリアやアフガニスタン、エリトリアやソマリアといった場所の戦乱や貧困から必死に逃れようとする人々の状況につけ入っている。

 緩いネットワークでつながっている密航業者たちは、ソーシャルメディアとよく組織されたルート、非情な手段を用い、欧州に難民・移民の波をもたらしている。

 しかし、家族と一緒に乗っていたギリシャへの密航船がエーゲ海(Aegean Sea)で沈み、トルコの浜に遺体が漂着したシリア人男児アイラン・クルディ(Aylan Kurdi)君(3)の死や、オーストリアの高速道路に乗り捨てられたトラックの貨物室から窒息死した71人の遺体が見つかった事件を受けて、事態は新たな緊急性を帯びている。

 欧州警察機構(ユーロポール、Europol)組織犯罪網対策部のロベルト・チレピンコ(Robert Crepinko)部長はAFPに対し「ユーロポールだけではなく、すべての加盟国にとって最優先課題だ」と語った。「地中海(Mediterranean Sea)だけでなく欧州全域に関していえば、3万人の容疑者がいる」

 欧州連合(EU)は7月、地中海の密航業者の摘発に乗り出した。情報収集段階を経て、リビア沿岸を中心に密航業者の船舶に対する軍事作戦の準備を整えた。

 この洋上作戦やユーロポールは、移民たちに地中海を渡らせている密航業者のネットワークの特定と解体のため、伊シチリア(Sicily)島の事務所を通じて協力しているとされる。またチレピンコ氏によれば、ユーロポールはまもなく、トルコからの密航対策としてギリシャ・ピレウス(Piraeus)に拘置施設を開設するという。