デジタル全盛の香港、若者に広がる「アナログ」回帰
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■場面を記憶にとどめるフィルムカメラ
フィルムカメラやレコードの復活は、何事も手っ取り早く済ませられるデジタル製品に取り囲まれたライフスタイルの中で、シンプルな喜びを味わおうとする人々が増えている現状を垣間見せている。
10代の若者たちの一部は、電子メールよりも喜んでもらえるとして、友達にはがきを送ることもあるという。
また、さまざまな分野の電子書籍をダウンロードして入手できるにもかかわらず、香港の書店は老若男女でにぎわいを見せている。
香港で小さなアンティークショップを経営するライ・チャンファイ(Lai Chun-fai)さん(34)の店には、数十年前に使われていた看板やアンティーク・ラジオ、映画館で使われていた椅子といった品々が山のように積まれている。
一見すると掘り出し物のビンテージ商品のようだが、ライさんは「Classic Camera Shop(クラシック・カメラ・ショップ)」という店名通り、アナログカメラだけを専門に取り扱っているという。
ドイツの高級メーカー、ライカ(Leica)製の年代物のカメラ販売から事業を始めたというライさんは「香港ではあまり目にすることがない古いカメラを披露したかったんだ」と話す。
また、フィルムで撮影する方がずっと楽しく、思い出にも残り、またそれこそが一部の若者にフィルムカメラが人気を博している理由だ、とライさんは説明する。
「若い子たちは、フィルムカメラだと、写真を撮った瞬間のことを覚えていると話しているよ。結果として、スマートフォンで撮った写真はあまり見なくなるってね」とライさんは言う。
「私が10年前に撮った写真でも、あの写真の中で起きたことを今も思い出せるよ」(c)AFP/Aaron TAM